「あッ!3Dプリンター屋だッ!!」さんは、パーソナル3Dプリンターの可能性を探るため2014年2月にオープンした、ショップ兼工房兼「3Dプリンターなんでも相談所」です。
お店は通路を挟んで2つに分かれていて、片方には小型の3Dプリンターがずらっと並び
もう片方が大きなテーブルを置いた打ち合わせスペースになっています。
店内には、プラスチックを鎖状に繋げたベストとスカートが掛けられたトルソー・背面が鎖状に編んであるiPhoneケース・編み目状のまるいランプシェード・その他いろいろなフィギュアが雑然と置いてあって…
これが全部、ここに並んでいるパーソナル3Dプリンターで作られたものだと思うと
ワクワクしてきます!
早速、店長の中村さんにお話を伺いました。
「ここにあるプリンターは全て数万円から20万円の個人が買える値段のもの。
最新の機種ではなく、ジェネリック医薬品のように
特許期間が切れて安くなった技術で作られています」
「このお店は、機械を造っているとか売っているとかではなく、
リサーチも含めてパーソナル3Dプリンターの技術が何に使えるかを
研究している場所でもあるのです」
なるほど、私たちでも手が出せそうな3Dプリンターでも
いろいろなことができるということですね!
せっかくなので、女子大生のジュリちゃん、ユウちゃん、ミホちゃんは
自分自身をスキャンしてプリントしていただくことにしました。
まず、用事があって帰らなければならないジュリちゃんを先にスキャンしてもらいます。
ジュリちゃんをスキャンするのに使ったのは、フラッシュ型のスキャナ。
もともとは医療向けのスキャナで、現場で患者を撮影してドクターにデータを送信し
半立体で見てもらうために開発されたものなのだそう。
マテリアルの表面の起伏を撮るのに適しているそうです。
なにやら手鏡型のものをあごの下に当てます。
これがゼロ点になり、フラッシュを焚くと陰影でゼロ点からの距離が計測され
立体データになるんだそうです。
いよいよスキャン。パシッとフラッシュが焚かれました。
取り込んだ画像はどうなっているかな?とパソコンを見てみると…あれ?取り込めてない。
店長「たまに、取り込めない人がいるんです」
ジュリちゃん「えー!陰が薄いのかなあ^^;」
もう一度トライ。今度は上手く撮れました。
時間に余裕のあるユウちゃんとミホちゃんは、上半身360°をぐるっと回って撮影するタイプのスキャナでスキャンしてもらうことにしました。
店長がハンドスキャナーを持って撮影対象の周りを歩いて一周するので
その間は身動き厳禁です。
幕末に銀板写真を撮られた武士たちの心境がちょっとわかるような…。
ユウちゃん「目がへんな方見てたかも」
店長「目線は関係ないんですよ(笑)」
スキャンされた画像がパソコンに表示されました。おお、リアル!
360°タイプのスキャナで撮ったものはパソコンではモノクロでもカラーでも表示できますが
今回は1色プリンターで3Dフィギュアを作ります。
ちなみに今回使うプリンターは、PLAというトウモロコシから作ったバイオプラスチックが
紐状になったものが材料。
これを溶かしたものがノズルの先から出て、地層のように積み重ねていきながら
形ができていきます。
一辺最大100mmまでプリントできるプリンターですが
そのサイズにするとプリントに数時間もかかるとのことで、今回は小さめで作ってみます。
それでも1時間半くらいかかるということなので
他のお店を取材してから戻ってくることにしました。
さて、中野ブロードウェイの他のお店を取材して戻ってくると…
あともうちょっとでできるというところ。
「似てますよ、これ。すごい!」
やがて形が全部できあったら、プリンターから取り出してみます。
プラスチックを重ねていく過程で余計なパーツが入ってしまうので
その部分をラジオペンチでパチンパチンと切り落とせば完成です。
「私ってこんなですかねー」
「なんか再発見です」
なんと来年は、フルカラー3Dプリンターの特許が切れて、一般の人でも手軽にパーソナル機が手に入るようになるとのことで
「あッ!3Dプリンター屋だッ!!」さんでも導入を予定しているそうです。
ますます楽しみですね!
—–お店情報—–
あッ!3Dプリンター屋だッ!!
東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ B1F
営業時間 12:00~20:00 / 定休日 水曜日
Eメール info@tokyo-maker.com
〈メニュー〉
3Dプリンティング 980円/1時間
3Dデータ作成・修正 2,500円/1時間
3Dスキャン 1,500円~/1回
その他、3Dプリンターのサポート、3D企画、3Dプリンターで作成した小物の販売も行っています。